東日本大震災から2年。
被災地の36社の事業者に現状と課題、必要としていることは何かを聞きました。
今私たちに求められているもの、できることは何でしょうか。

【菱屋酒造の場合】

◆2012年を振り返り、事業全体の進捗はいかがですか？

ほぼ計画通りです。

（１）建屋や仕込関連の機器は順調に揃えることができました。
（２）詰口関係ではカップなどの小瓶の詰に問題があります。
（３）詰口に使用するタンクが小さいです。
（４）商品の置き場が不足しています。
（５）次に向けての人員確保に課題があります。


◆現在、直面している課題を教えてください。

人材の確保、販路の開拓、宮古市の都市計画との関係などです。

会社の再建には10年以上掛かる見込みです。
現在は辻村杜氏に良い酒を造ってもらっていますが、
杜氏が交代するときのことも考えておく必要があります。

もう一つは社員も交代期になっていることで菱屋酒造店のような
小さな会社では毎年新入社員が入るわけではないので
社員を入れるタイミングと教育が問題です。



◆今後、誰からどんな施策や支援があると、助けになりますか。

宮古市は海沿いの地域が津波で被災して、売上は伸びないと考えています。
今後、外に向かって販売を拡張する必要があります。

ファンドに出資していただいた方に、買っていただくのもうれしいですが、
一人に買っていただく量は限られています。一番欲しいのは
酒屋さんとのつながりです。出資していただいた人に
御近所のしっかりした酒屋さんを紹介していただけるとうれしいです。


◆ファンドをやって、一番嬉しかったことは何ですか。

色々な出資者とつながりができました。
特典のお酒に対してお礼状などを頂くとうれしいです。
また取引のある小売店の人も何人か訪問していただきました。

資金面ではお金が必要なときにファンドから送金してもらって
非常に助かったことが何回もあります。


◆これまでに、何か出資者の方と取り組んだことや、
出資者との関係で起こったことなどがあれば教えてください。

岩手県の酒造組合で毎年お酒の頒布会を催します。
出資者にメールでお願いして何人かに参加していただきました。
それから何回もお酒を注文していただいた出資者もおられます。


◆今後、出資者の方と取り組んでみたいことはありますか。

お酒の好きな人には、普通では買えないお酒を案内して菱屋の酒を
広げて行きたいです。会社の近辺の民家の再建は3年後くらいに始まるので、
その時期にボランティアと酒を楽しむ会でも開催したいです。


◆2013年の抱負を教えてください。

再建1年目は売上はまあまあでした。
仕込んだ酒の数量が足りなかったので売上が最後に止まった気がします。
今年は10%は売上を伸ばしたいと思っています。

（→他の事業者のアンケートを見るにはこちら）


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