【丸光食品】 麺を他の業者から仕入れて販売することの意味

21/08/2011
丸光食品ファンド

ミュージックセキュリティーズの杉山です。

今日は、「同業者から仕入れた麺を販売する」ということの事業上の
意味について、少し掘り下げてお伝えしたいと思います。

まず、「丸光食品ファンド」の復興プランは次のようになっています。

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(1)当面の収益確保および既存顧客の維持を図るための麺類等の卸業の開始
・新工場設立までの期間、県内の同業者から麺類等の仕入れ小売店に販売を行う卸業

(2)新工場を建設し、麺類等の製造・販売の再開(2012年3月~)
・沿岸部にこだわらずに早急に用地を確保し、工場建設開始(2011年9月~)。
・製麺機は自社の規格に合わせてオーダーメードで発注。
・まずは定番のそば・うどん製品から製造を開始。

(3)「海鮮フカヒレラーメン」等のギフト用製品のネット直接販売で新規顧客開拓を強化
・ギフト用製品の主力である「海鮮フカヒレラーメン」はフカヒレ調達の目処がつき次第再開。
・既存顧客がこれまでは気仙沼や陸前高田など三陸沿岸部中心であり、廃業する顧客も予想されるため、今後は、
「海鮮フカヒレラーメン」等の高付加価値のギフト用製品のネット販売を強化し、首都圏や西日本での新たな顧客を開拓。
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https://www.securite.jp/fund/detail/165 より抜粋)


現在行っている麺販売は、これの(1)に該当し、
①当面の収益確保および②既存顧客の維持、という2つの意義があります。

①について、前回のレポートで、丸光さんからは、現在、販売している量が
「震災前と比べたら10分の1以下」という話
がありましたが、少し捕捉したいと思います。

商品を受け取る一消費者としては、あまり意識しないかもしれませんが、
収益性の観点から見ると、仕入れた麺の卸販売は、
自社で製造した商品を売る場合に比べ、その利益はかなり小さくなります。
大まかにいうと、自社で製造した製品の場合の利益率は3割程度、
仕入れた麺の販売では、その利益率は2割以下で、
現状では、ガソリン代などの経費を差し引くと、月に残るのは数万円程度で、
これが目下、丸光食品を経営する熊谷さん一家8人の生活を支える収入源となっています。

これだけでは、解雇したスタッフを雇い戻すことなどは到底叶わず、
一刻も早く、工場建設に着工し、復興プランの(2)の段階に進むことが待たれます。
丸光食品-市民ファンド
(後ろは工場の建設予定地)

また、②の顧客維持というのも、重要な点です。

製品をお届けできなければ、取引先も困るので、別の会社と取引を始めざるを得ず、
そうすると、再建を果たしたとしても、震災前と同じには取引ができない可能性が高い。
震災後、多くの事業者の方とお話をしましたが、皆さんが懸念されていることの一つです。

自社の製品でなくとも、これまでの取引先には納品をし続けることが、
工場が稼働し、自社製品を出荷できるようになった際の販路の確保につながります。

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今回、セキュリテ被災地応援ファンドにご参加の事業者さんの中では、
例えば陸前高田の八木澤商店も復興プランの第一段階として、
製造委託で仕入れた醤油・味噌を販売しています。
自社の醸造工場を作るのは、まだ大分先の予定です。

対照的に、斉吉商店では、江刺のキッチンセンターをお借りして、
既に「金のさんま」という自社の商品を製造開始しました。

震災から、もうすぐ半年。
一見すると、再建に向け、各社、差が出てきたように見えます。
ただ、ここで皆さんに、是非、知っていただきたいのは、
差が出た背景には、その会社の力で左右できること以前に、
これまで本レポートでも取り上げてきた「土地」の問題や、
そもそもの事業の「業態」の違いが大きく影響を与えているということです。

水産加工、醸造、製麺、フカヒレ加工、養殖事業等、
事業によって、再開できる要件やキャッシュを生み出すまでの時間が異なります。
例えばちょっとしたスペースと道具があれば少量からでも再開できる事業もあれば、
養殖事業の場合などは、種を植えつけてから製品となるまでに、
わかめや海苔で1年、昆布で2年、ほやなどでは3年はかかります。

丸光食品1-市民ファンド

丸光食品の場合には、製麺の機械自体が特殊で、設備自体も大きく、
初めから、自社の工場をしっかり作ることが一番の近道だし、それ以外にはないと考えています。
そして、工場が完成し、麺の製造が開始できた所から、本当の復興フェーズが始まります。

震災から時間が経ち、もしかしたら、多くの方の関心は下がってきたかもしれません。
しかし、経過した時間以上に、この先も取組は続きます。
ファンドについても、少しでも目標金額に達するよう、ぎりぎりまで募集したいと思っています。

是非、これからも応援を宜しくお願いします!



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3口以上のお申込で海鮮ふかひれ生ラーメンを含む「気仙沼麺セット」をもれなくご送付
「丸光食品ファンド」の詳細・お申込はこちら:
http://www.musicsecurities.com/communityfund/details.php?st=a&fid=165

ファンド情報

丸光食品ファンド
株式会社丸光製麺
Período contable
01/01/2013 ~ 30/04/2022
Por unidad
S/ 105.00
Tasa de redención
En operación
Número de participantes
1,143 personas
Logro de recaudación
38,180,000 PEN
【Notas importantes】
Los fondos que manejamos pueden incurrir en tarifas de manejo designadas (pueden aplicarse tarifas de transferencia bancaria por separado) y existen riesgos como la pérdida del capital de la inversión.
Las tarifas de manejo y los riesgos varían según el fondo, así que consulte la descripción del contrato de sociedad anónima de cada fondo para obtener más detalles.
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