マスカット・ベーリーAについて

17/03/2017
高山村ドメーヌ長谷ワイナリーファンド

投資家の皆様

 

お世話になっております。Hikaru Farmの長谷光浩です。暖かい日が続き、徐々に剪定を再開していますが、足元の雪は未だ40~50センチ近くあり、なかなか作業が捗りません。今年は、雪が解けてから萌芽まで期間が短くなりそうで、春から大忙しになりそうです。

 

さて今週は、酒販店営業と勉強会を兼ねて数日間東京に滞在していました。その中で、参加したセミナーは、日本ワイナリー協会主催のマスカット・ベーリーAの講習会とワークショップです。 

Hikaru Farmの畑で植栽している品種構成は、ピノ族(ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノグリ、ピノブランほか)が全植栽中70%近くになりますが、約10%の圃場にはマスカットベーリーA(以下、ベーリーA)を植栽しています。もともと、「仮想ピノ・ノワールになりうる&日本でも栽培しやすい葡萄」を探していた中で、ベーリーAに出会いました。フラネオールというピノ・ノワールにも含まれるイチゴのような甘い香りもつ物質が豊富で、さらに病気には強く栽培しやすく、収穫量も安定しているという、農家にとっては大変有難い葡萄です。通常は、棚栽培が多い中、私たちはヨーロッパ品種と同じく垣根で栽培しています。昨年、初収穫したベーリーAを分析したところ、素晴らしい数値(糖、酸ほか)と食味が大変美味しかったことから、2017年以降さらに60aほど植栽を増やすことを決めました。

Hikaru Farmのマスカット・ベーリーA(2016年)。非常に粒と房が大きく、400g近くにもなります。食べると酸味とのバランスが絶妙で本当においしい葡萄です。
 

 1927
年に川上善兵衛氏により交配されたベーリーAは、過去はワイン用としてよりは生食用としての人気が高く、ワインも軽めの日常酒的なものが大半でした。また、栽培や醸造によっては香りに独特のクセが出る傾向があり、それらがネガティブなイメージとして一部の方から敬遠され、ワイン用品種としては苦戦を強いられていた歴史があります。

しかし、ここ数年のワイナリーの栽培醸造技術の向上から、それらのネガティブ要素が少なく、香り高いワインが、コンクールでも上位を受賞することが増えてきました。さらに、一部のワインは、ソムリエですら、ベーリーAからつくられたことが判らないほど、素晴らしい香りを放つ品質のものもあります(ブラインド・テイスティングでピノ・ノワール、シラーやガメイと間違える方も多くいます。私自身も7年近く前にそのワインに感銘を受け可能性を確信し、間接的にはこれが植栽を決定した理由でもあります)。

加えて、ベーリーAは日本食だけでなくさまざまな食事に合わせることが容易で、飲食店関係からも需要が高まっているようです。国際ブドウ・ワイン機構(OIV)に、甲州ぶどうについで登録されて、日本食の世界的なブームも後ろ盾になり、今後ますます世界的な認知が拡がる、可能性のある葡萄だと思います。

 

さて、話は戻りますが、今回のセミナーは2部構成(+懇親会)で、第一部は、ベーリーA のスタイルと醸造手法、第二部はリーデル ワイングラス・セミナー(さまざまなグラスでベーリーAにあったグラスを探る)です。

第一部、日本全国のマスカット・ベーリーAの造り手を迎えてのセミナー風景。受講している方の大部分がワイナリーの方で、技術的なことに突っ込んだ話が中心です。


第一部より、パネラーが持ち込んだ各自のワインが、ブラインドで並べられています。水平試飲すると地域やつくりの違いがよく判ります。


こちらは、第二部のグラスセミナー。ベリーAにあったグラスをさまざまなグラスで試していくワークショップ形式です。

 そして、今回のセミナーに参加した一番の目的は、私が今までに影響を受けた「特異な」品質をもつベーリー
Aワインの、ある造り手が参加するからです。各所からベーリーAの醸造を伺っていても、やはりその造り手のワインは他とは違います。一言でいうと、ガメイ、しかもクリュ・ボジョレーのような凝縮感と鼻に抜ける素晴らしい芳香があり、世界品質だと感じています。

セミナーと懇親会を通じ、その方とも直接コンタクトをとることができ、頭の中でモヤモヤしていたことがかなりクリアになりました。最近知ったことですが、ベーリーAにはメトキシピラジン(ピーマンのような、青い未熟な香り)という物質が梗どころか皮にもほとんど含まれていない、ということです。この方も、全房醗酵など梗を有効に利用されているのが納得できました。赤ワインの全房醗酵で熟していない果実や梗が入ると、独特の香りが残ります。しかし、ベーリーAにはその原因物質であるメトキシピラジンがほとんど含有されていないのであれば、日本の赤でも全房醗酵の道が見えます。自然なつくりで著名なボジョレーの造り手の多くが全房醗酵を取り入れているように、和製ガメイ的な自然なワインが産まれる可能性を感じました。

 

もとは、ピノ・ノワールとのブレンド用としてベーリーAを植栽していたのですが、ますますベーリーA単体のワインにも挑戦してみたくなりました。栽培でも、垣根ならではの特性を活かし、凝縮度の高い房をつくることを狙っていければと思います。

 

引き続き宜しく御願いいたします。

 

Hikaru Farm

長谷光浩


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